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確定申告の利便性向上
コロナ禍を契機として、リモートワークが一気に普及するなどネットを介した業務が一般化しました。また、キャッシュレス決済も普及が加速しています。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを軽減するため、確定申告においては税務署等への来訪を控える手段としても、スマートフォン等を利用して申告する電子申告等が推奨されています。こうした流れを受け、確定申告の利便性はさらに向上しています。
1.スマートフォンによる確定申告の利便向上
(1)対象範囲の拡大
昨年までスマートフォンから確定申告書等作成コーナーにアクセスすると「収支内訳書」や「青色申告決算書」を作成できず、個人事業主や副業のある方は、特定の会計ソフトを使用しないとスマートフォン申告ができませんでした。
しかし、令和5年1月からはスマートフォン版の確定申告書等作成コーナーでも、「収支内訳書」・「青色申告決算書」が作成可能となりました。これにより、個人事業主等の主な申告書類をすべて作成できるようになり、スマートフォン申告の対応範囲が拡大しています。
(2)マイナポータル連携※で自動入力できる部分が拡大
令和4年分確定申告から、新たに以下のデータがマイナポータル連携の対象となります。特に、医療費通知情報は、令和3年分から開始されていましたが、9月以降の診療分のみ取得可能でしたので、8月以前の診療分は別途集計等が必要でした。令和4年分では、1年間分が取得可能となり、本来の利便性が発揮されることとなります。
① 医療費通知情報(1年間分)
② 公的年金等の源泉徴収票
③ 国民年金保険料
なお、保険会社の保険料控除証明書、ふるさと納税の寄付金受領証明書等も一部が連携可能で、対応会社は順次拡大中です。マイナポータルの連携作業は、まとめて行うと手間が省けますので、これを機会に確認してみるとよいでしょう。
※マイナポータル連携とは、所得税確定申告手続について、マイナポータル経由で、控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能です。
(3)マイナンバーカードの読み取りが1回でOKに
令和5年1月から確定申告書等作成コーナーから「マイナンバーカード方式」で電子申告する手順が少し簡単になりました。今まではマイナンバーカードを3回も読み取る必要がありましたが、これが1回で済むようになりました。
また、マイナンバーカードの読み取りはスマートフォンでも可能です。以前は専用のICカードリーダーが必須でしたが、現在は多くのスマートフォンで代用できるようになっています。
2.国税のスマホアプリ納付
令和4年12月から新たにスマホアプリ納付(○○ペイによる納付)が利用可能となっています。ご利用方法は以下のとおりです。
(1)ご利用方法
スマートフォンから、納付受託者(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)が運営する「国税スマートフォン決済専用サイト」へアクセスし、ご利用になる○○ペイを選択し、納付の手続を行います。なお、納付の手続は、「国税スマートフォン決済専用サイト」へのアクセス方法により異なります。
① 国税庁ホームページからアクセスする場合
国税庁ホームページに表示されている「国税スマートフォン決済専用サイト」へのリンクからアクセスします。
② e-Taxの受信通知からアクセスする場合
e-Taxを利用して申告書等データの送信した後に、メッセージボックスに格納される受信通知(納付区分番号通知)からアクセスします。
③ 確定申告書等作成コーナーで出力される二次元コードからアクセスする場合
確定申告書等作成コーナーで申告書を書面で作成し、申告書等とともに出力される納付用二次元コードを読み取りアクセスします。
(2)注意事項
① ○○ペイのアカウント残高を利用した支払方法のみ利用可能です。したがって、事前に利用する○○ペイへのアカウント登録及び残高へのチャージが必要となります。
② 原則として全ての税目が納付可能で、一度の納付での利用上限金額は30万円です。
③ 領収書は発行されません。したがって、領収書が必要な場合は、○○ペイの納付を利用せず、最寄りの金融機関又は所轄の税務署窓口で納付することとなります。
④ 決済手数料はありません。
掲載元リンク
公益財団法人生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/kuraho/essay/2023/8903.html