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2014.12.01

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相続税改正について エッセイを執筆しました(2014.12)

相続税改正 増税に備える(3)

手軽な相続対策『生命保険』を詳しくチェック

生命保険は、最も気軽な相続対策の一つといえます。なぜなら、不動産などと異なり、比較的少額の負担から加入することができ、また、書類の手続きだけで加入できる商品なども用意されているからです。

節税のための『相続“税”対策』として勧められることが多い生命保険。実は、スムーズな相続のための『相続対策』としてもいろいろなメリットがあります。

今回は、相続の現場で感じる生命保険のメリットについてご紹介いたします。

まず、第一のメリットは家族の死亡、すなわち相続発生からすぐに自由になる現金が得られることです。自由度の高さでは、銀行預金を思いうかべる方も多いと思います。しかし、相続に際して、銀行預金は手続きが面倒な面があります。人が亡くなると、その故人の銀行口座は凍結されます。

そして、引き出しには、相続人全員の念書や印鑑証明書が必要となります。「しばらく死亡の届を出さず、その間に預金を引き出せばよい」との声もありますが、その行為自体が他の相続人に不信感を生み、相続争いに発展する場合もありますのでお勧めできません。

この点、生命保険なら、必要書類がそろえば保険金が支払われます。故人の死亡診断書等のほか、受取人の印鑑証明書等が必要書類です。受取人が一人であれば、受取人だけで手続きすることができます。さらに、最近では、保険会社の手続きがスピードアップしており、書類提出後、最短1週間程度で保険金が支払われるようです。

入院費用の精算や葬儀費用、遺族の当面の生活資金、故人あてに届く請求書など、相続発生後もいろいろと現金は必要なもの。その資金について備えができるメリットは大きいです。

つぎのメリットは、生命保険金は遺産とはならないことです(注)。生命保険金は、受取人固有の財産とされ、他の遺族は分割を請求することができません。そのため、特定の人に現金を残すことができます。

たとえば、めぼしい財産は自宅ぐらいしかないケース。本人が亡くなった後、残された家を売却して現金化できれば話は簡単ですが、遺族の1人が、故人と同居していて、売却できない場合などは遺産の分割が難しくなります。

こうしたケースの解決法として、同居している家族を受取人とする生命保険に加入する方法があります。本人が亡くなると、同居している家族に保険金が支払われます。この保険金は他の遺族が分割を請求することはできませんが、この保険金を使って、残された家の評価額のうち、他の遺族に分割する割合の金額を現金で支払うようにします。こうすることで、同居の家族は家を、他の遺族は相続分に見合う現金を手にすることができます。

これらはほんの一例です。相続の手続きの中で、様々なメリットがある生命保険。特長を生かしてスムーズな相続に役立てたいものです。

(注)民法では遺産とされませんが、税務上は相続税の課税対象です。

掲載元リンク

公益財団法人生命保険文化センター http://www.jili.or.jp/kuraho/2014/essay/web09/web09.html